ノバルティス科学振興財団とは

ノバルティス科学振興財団は、1987年9月にチバガイギー科学振興財団として設立され、1998年に現在の名称に変更の後、2012年に公益財団法人へ移行しました。

1987年、チバガイギー(現ノバルティス)グループは、各国において単に商業的活動のみを目指すのではなく、社会に経済的および社会福祉の面からも貢献するという経営理念に従い、日本円にして10億円の基金を提供し、チバガイギー(現ノバルティス)科学振興財団を設立しました。当時、来るべき21世紀の科学の軸となると考えられた、自然科学の創造的研究の振興助成を図ることで、日本の学術の発展と福祉の向上に寄与することを目指したのです。チバガイギーとサンドが合併し、1997年にノバルティス ファーマ株式会社が発足したことに伴い、財団は1998年に現在の名称に変更の後、2012年4月に内閣府より公益認定を受けて公益財団法人に移行しました。

設立以来、当財団は29年にわたり、我が国における生物・生命科学および関連する化学の領域における創造的な研究と、それらに携わる研究者の交流の場である研究集会に対して助成を行ってきました。特に、成果がすぐに応用につながらなくとも、基礎的な発見や理論を積み上げることが新分野を拓き、新産業を生み出す元になると考え、基礎的な研究への助成を中心に行っています。その件数は約1,700、総額はおよそ20億円に上ります。

代表理事からのご挨拶

 本財団設立に当たり1987年に記された「財団設立の趣意」と題する文書には、財団が「来るべき21世紀の科学の軸となる自然科学の創造的研究の振興助成をはかり、以って人類の福祉に寄与できれば」と記され、「研究の維持継続のための資金的な助成、並びに国境を越えた交流の場の提供」がうたわれています。
 21世紀に入って20年目に入った今日、科学、特に生命科学の発展には目を見張るものがあります。十年一昔と言いますが、次々と新たな発見があり、科学の最前線は急速に動いて行きます。その一方で、古典的とも言える新型コロナウイルスのパンデミックに世界は苦しんでいて、一筋縄ではいかない生命現象の多元性をあらためて感じます。
 この様な中で、本財団は公的研究費とは異なる観点から、次の時代を切り拓くであろう研究を支援して行きます。申請のあった計画は、各分野の第一線研究者による厳正かつ公正な審査を経て採択が決定されます。これまでに本財団は総計で約1800件、約21億円の助成を行ってきました。研究や国際学会開催のタイムリーな支援により、新たな研究の芽が出て花開いたり、国際交流が進展したとの嬉しい便りが寄せられています。
 財団では今後とも、我が国の独創的な研究発展のお役に立てればと思っています。皆様の温かいご理解、ご支援を心よりお願いいたします。

2020年7月

代表理事 高田邦昭

財団の概要

出捐者 ノバルティス社(スイス・バーゼル)
基本財産 11億円(平成24年4月現在)
行政庁 内閣府(平成24年4月1日より) 文部科学省(平成24年3月31日まで)
設立日 昭和62年(1987年)9月4日 平成24年(2012年)4月1日に公益財団法人へ移行

財団の歴史

1987年9月 チバガイギー科学振興財団として設立
財団設立の趣意
1998年6月 名称を、ノバルティス科学振興財団に変更
2012年4月 内閣府より公益認定を受け、公益財団法人へ移行