選考委員長のコメント

選考委員長のコメント - 2016年度

選考委員長 鍋倉 淳一 

2016年12月19日に第30回ノバルティス研究奨励金(研究助成)および平成29年度研究集会に関する選考委員会を開催した。今年度は4月に熊本地方で大きな地震が発生し、熊本城の石垣が大きく損壊するなど同地区に大きな被害が発生した。この地震により熊本を中心とする九州の広い範囲で大学や研究機関の研究の進捗に影響が発生した。そのため、ノバルティス研究助成に5件の震災枠を設けて、同地区の研究者を優先的に採択した。これは財団ならではの研究復興に対応する迅速な取り組みである。加えて、31件を選定したが、いずれも非常に研究内容の高い挑戦的な課題であった。また、集会助成はいずれも本助成が効果的であることが見込まれる5件を採用した。審査は、本助成対象領域は生命系の広い範囲をカバーしているものの、その過程において審査員各位の高度な見識に基づいた多くの意見が交わされ、透明性が高いものであった。このような真摯な議論が本研究助成の本質を表していると感じられた。経済状況は厳しさを増しているが、わが国の研究の発展につながる本助成の持続、できれば今後拡充することを期待したい。